[付帯部]とはどの部位??
付帯とは、「主な物事に伴って生ずること」です。
戸建住宅では、主に屋根・外壁以外の細かい部位のことをまとめて「付帯部」と言います。
とはいえ、玄関扉や窓サッシ、アルミ・ステンレス素材の物は基本的に塗りませんので、戸建住宅での「付帯部塗装」とは軒天井、雨樋、破風・鼻隠し、庇、雨戸・戸袋(シャッター・シャッターボックス)、水切りなどを指します。
スチール製の換気フード、ベランダ笠木・手すりや、木製の面格子など…お家によって付帯部は多種多様です。
[付帯部]の色でお家の印象が変わる
ファッションにおけるカラーコーディネートでは、ベースカラー(全体の約70%)アソートカラー(全体の約25%)アクセントカラー(全体の約5%)と言われています。
お家に当てはめると、外壁がベースカラー・屋根がアソートカラーとすると、付帯部がアクセントカラーといったところでしょうか。
靴やバックの差し色はコーディネートの大事な部分ですよね。
お家も付帯部の色次第で引き締まって見えたり、メリハリがなく野暮ったく見えたりします。
平塚建装ではカラーシュミレーションを使用して施主様のイメージ作りをお手伝いいたします。
軒天井
外壁より外側に出ている部分を軒といいます。その部分の裏側(軒裏)に板材を張ってできた面が軒天井です。
直射日光が当たりにくいので、塗膜の劣化は少ないと思われがちですが、湿気の溜まりやすい箇所なのでカビや苔などの症状が出てきます。
透湿性があり防カビ材の入った塗料で塗装することが重要です。
白系で塗装するのが一般的ですが、敢えて暗い色で塗装するのもお洒落です。
下地処理
カビ、苔、埃など汚れをきれいに清掃します。脆弱な既存塗膜も剥がしてしまいます。軒天井は建物の造りによって仕上げ材も様々です。軒裏換気口が付いていたり有孔ボードなど高圧洗浄で洗ってしまうと室内への漏水の恐れがある場合は手作業で念入りに清掃します。必要に応じてパテやコーキングもします。
塗装
軒天の塗装のタイミングはお家の造りによって多少違いますが、大体は外壁塗装の前に仕上げます。外壁が仕上がってから軒天を塗ったら、せっかく仕上がった外壁に軒天の塗料が上から落ちて汚れかねないですよね。塗装工程は下塗り(シーラーなど)、中塗り・上塗り(仕上げ塗料)ですが既存が良好な状態ならシーラーレス塗料2回塗りでも問題ありません。
雨樋
雨樋は、屋根から流れた雨水を集め、地上や下水に流すための設備です。
屋根の先端に横に付いている軒樋、外壁に縦に付いている竪樋の事を指します。
建物を縁取るように取付られていることが多いので、雨樋の色を変えることでお家の印象が引き締まったりもします。
塗料は、いかにも「塗りました」というピカピカなツヤあり仕上げよりも、元々の製品に近い質感、落ち着いたツヤの5分ツヤ・3分ツヤ仕上げがおすすめです。
下地処理
苔や汚れなどをきれいに清掃します。軒樋は足場を組んだ際にしか点検・補修できない部位です。屋根を高圧洗浄する際に軒樋の中に溜まった泥も洗浄します。また雨水がスムーズに流れていく傾斜になっているか、継手・曲がり・止まり・集水器などパーツの破損は無いか、接着が弱まっていないか、きちんと点検します。
塗装
雨樋は多くが塩化ビニルです。ケレン作業で細かい傷を付けてから塗装します。密着をより強固にする為、専用プライマーを下塗りに使用することもあります。取り付け金具が鉄製の場合は下塗りに錆止めを塗ります。その後仕上げ塗料を2回塗ります。雨樋は職人の技量で仕上がりが左右しやすい箇所です。
破風・鼻隠し
破風・鼻隠しは、屋根の端に取り付けられている建材です。
屋根は横や下から吹き上げる雨風に弱いので、破風・鼻隠しは建物への雨風の侵入を守る大事な役割を担っています。
切妻屋根(本を開いて被せた形の屋根)だと三角の部分が破風、軒樋が付いている部分が鼻隠しです。
寄棟屋根(ピラミッドの様な四角錐の屋根)の場合破風は無く屋根の端は全て鼻隠しになります。
鼻隠しは軒樋に隠れてあまり見えませんが、破風は雨樋が取り付けられることはなく、とても目立つ部位です。
下地処理
苔、汚れなどをしっかりと洗浄します。破風・鼻隠しは建材も様々です。木材の場合は特に、紫外線や雨風の影響を受けやすいので腐食や劣化がみられる場合は補修が必要になります。また塗膜も剥がれやすいので脆弱な既存塗膜は撤去します。 窯業系サイディング材の場合は継ぎ目のシーリングも打ち替えします。
塗装
破風・鼻隠しの塗装は建材によって下塗りが違います。木材=木部用下塗り材、サイディング材=シーラー、モルタル=フィラー、鋼板=錆止め…といったように下地に適切な下塗り材を塗ります。その後、仕上げ塗料を2回塗ります。
鉄部(雨戸・庇・水切り等)
雨戸はその名の通り雨風を防ぐための戸ですが、防犯効果も非常に高いです。
近年では、シャッタータイプが多く採用されています。シャッタータイプはシャッターボックスのみが塗装対象の場合が多いです。
引き戸タイプは窓の横に戸袋と呼ばれる収納場所が取り付けられており、片窓ほどの面積もあるため、全体の配色を考慮して色決めをする必要があります。
庇は[霧避け]と呼ぶこともあり玄関扉や窓の上に突き出された小屋根の事。
庇は横から見たとき見える面積が小さいので外壁とギャップのある配色でもいいアクセントになります。
水切りとは、流れてきた雨水などが内部に侵入しないよう、
(外側に)水を(流れを)切るための板金です。
戸建住宅では基礎と外壁(土台)の間に取り付けられているのがよく目に付くのではないでしょうか。
雨戸 シャッターボックス 換気フード 水切り
下地処理
埃、汚れなどを高圧洗浄・清掃します。引き雨戸は埃が溜まっていることが多いので、一枚ずつ丁寧に洗浄します。
その後ケレン作業で目荒らしします。錆が出ている箇所は特に入念にケレンします。
塗装
鉄部塗装は下塗りに錆止め、仕上げ塗料を2回塗りします。
錆止め塗料は各メーカーからたくさんの種類が製造されています。
強い錆止め材だから良い。というわけでもなく下地(前回塗装されている場合は要注意です。)に応じて使い分けます。